2016年03月14日

『よくわかる脳の障害とケア』恵信りほく病院 小澤辰馬先生のこの一冊

よくわかる脳の障害とケアー解剖・病態・画像と症状がつながる
酒井保治郎 監修 小宮桂治 編集  南江堂 2,500円+税

 今回ご紹介する本書は、病棟で働く看護師に向けて、脳機能障害をもつ患者様に、どのような点に注意し具体的に関わったらよいかについて、考え方と実践の支援をするという目的でまとめられています。yokuwakaru2.jpg

 多種多様の症状を呈する脳機能障害の理解に必要な知識を「脳の解剖」から「基本的な病態生理」へ、そして「脳の画像診断」から「障害部位と病態から症状を予測」と、順序立てて解説されています。

 脳機能障害をもった患者様に対して、どのように考えたらよいかについて”基礎の基礎“としてまとめられています。私も、病棟で看護師さんに相談を持ち掛けられた際に紹介している一冊です。
(本書序文より抜粋して紹介させて頂きました)

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2015年11月30日

『失語の症候学』 石和共立病院 鈴木千裕先生のこの一冊

『失語の症候学』
相馬 芳明、田邉 敬貴 著 医学書院 4,300円+税aphasia.jpg
 私の推薦図書は「失語の症候学」です。この本は私の学生時代に講義の1コマで使われたものです。失語の症候学から始まり、失語型診断の解説が詳しく記載されています。「発話はあるか→アナルトリーがあるか→錯語があるか→復唱ができるか→発話特徴→タイプ分類」というようにまとめられています。付録にはCD-ROMが付いており、録音されている発話が教科書に記載されているため分かりやすく、発話特徴の項目を参考に整理をしています。13症例分の自由会話、命名、復唱が録音されているので失語症の患者様を担当した際に、まとめをする時や症状が曖昧で迷った際はCDを聞いて参考にしています。
 私は今年度、回復期病棟に配属され、失語症の患者様と長期間関わる機会が増えました。初回時に考え方の過程を踏んで症状を判断し、分析する時に参考にしています。どの失語症の患者様にも当てはめて考えることができ、項目ごとに評価ができるようになってきたと思います。これからもこの本を基礎にして勉強していきたいと思います。
 皆様も判断に迷った際、是非手に取ってみて下さい。
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2015年09月27日

『ペコロスの母に会いに行く』 一宮温泉病院 倉島雪乃先生のこの一冊

『ペコロスの母に会いに行く』
岡野雄一 著 西日本新聞社 1,200円+税
ペコロスの母に会いに行く.jpg
 柔らかいタッチの絵と優しい語り口で綴られるコミックエッセイです。本屋やテレビのCMなどで、目にした方も少なくないのではないでしょうか。
 老人ホームにいる認知症の母とその母に会いにいく息子の日常を、面白おかしくそしてちょっぴり切なく描かれています。
 私たちは仕事をしていく中で、認知症の方と接しています。考えてみると「やっかいだなぁ」「困ったなぁ」と思う人が多くいませんか。昔のことばかり何度も話す、急に怒り出す、あったことをすぐに忘れてしまう。そんな症状を「やっかい」だと切り捨てるのではなく、笑いを含めて 温かに見守ることの大切さを感じました。
 作中で作者の母は、亡くなった夫や過去の情景を、夢の中や現実の生活の一部として繰り返し見ています。実は私も、勤務中に似たようなことがありました。「うちでお父さんとお母さんが待ってるから早く帰ってご飯作ってあげなくちゃいけないの」と自宅に帰りたがる方。
 きっとこの人の中では生きているのです。生き生きと生活し、そして娘の帰りを待っていてくれているのです。
 このエッセイを通して、認知症の方の現実と過去の混ざり合った世界を垣間見ると、切なくも思うかもしれません。
 “認知症になるのも、悪くないのかも”と。
posted by st_yamanashi at 22:24| Comment(0) | 書籍(その他) | 更新情報をチェックする