相馬 芳明、田邉 敬貴 著 医学書院 4,300円+税

私の推薦図書は「失語の症候学」です。この本は私の学生時代に講義の1コマで使われたものです。失語の症候学から始まり、失語型診断の解説が詳しく記載されています。「発話はあるか→アナルトリーがあるか→錯語があるか→復唱ができるか→発話特徴→タイプ分類」というようにまとめられています。付録にはCD-ROMが付いており、録音されている発話が教科書に記載されているため分かりやすく、発話特徴の項目を参考に整理をしています。13症例分の自由会話、命名、復唱が録音されているので失語症の患者様を担当した際に、まとめをする時や症状が曖昧で迷った際はCDを聞いて参考にしています。
私は今年度、回復期病棟に配属され、失語症の患者様と長期間関わる機会が増えました。初回時に考え方の過程を踏んで症状を判断し、分析する時に参考にしています。どの失語症の患者様にも当てはめて考えることができ、項目ごとに評価ができるようになってきたと思います。これからもこの本を基礎にして勉強していきたいと思います。
皆様も判断に迷った際、是非手に取ってみて下さい。