竹内愛子,河内十郎 編集
堀田牧子,毛束真知子,長谷川和子,武石 源,山澤秀子,中村やす 著
協同医書出版社 6,048円(税込)

今回、紹介させていただく本は「脳卒中後のコミュニケーション障害 改訂第2版」です。
この本は、学生時代に実習先のバイザーから失語症の勉強に役立つと紹介してもらい、国家試験勉強や臨床の場で参考書の一つとしてよく用いていました。
本書は失語症を中心に取り上げており、失語症状、タイプ分類、責任病巣、アプローチなどの基礎的な内容を、図や表を用いながらとても分かりやすく説明されています。他にも、失語症を呈した方やその家族の心理・社会的な問題点や課題点についても書かれています。また、失語症以外にもディサースリアや右半球損傷によるコミュニケーション障害などについても説明されています。
私が初めて失語症患者様を担当させていただいた時、患者様の心理面に着目しました。障害受容について考えていく中で、この本を参考に、今の患者様の心理状態がどの段階なのか、どういった対応を取っていくべきなのか、失語症を呈した方との向き合い方について深く考える良いきっかけとなりました。
基礎が多く、とても見やすく分かりやすい内容だと思います。失語症の患者様を担当されている先生方やSTを目指している学生の皆様にお勧めしたい参考書です。